2006-01-01から1年間の記事一覧

番外編photographers' gallery講座「ビエンナーレの二つの顔」

この展覧会のカタログ内容に関しては別の場所で書くつもりなので、今回はサイト・スペシフィックを中心に考えてみたいと思う。

先日とある書店で『風の薔薇』1号から3号までを入手する。 特に第3号の「シュポール/シュルファス」特集は必見。 もはやその名前さえ記憶から消えつつある美術運動だけに、 貴重ではある。 松岡正剛編集『遊』1008号もあわせて手に入れる。 遊び心たっぷり…

クロード・ランズマン『ショアー』を通しで見る。 あわせて『ショアーの衝撃』も読む。 床屋のシーンが以前の記憶に残っていたが(多くの人がそうらしい)、ひところの印象とは違って、今回は関心を持ってみることができた。 議論の矛先が「表象不可能性」に…

「人間と物質」

1970年の「人間と物質」展の発表をきく。 第10回東京ビエンナーレに題されたタイトルだが、問題の中心は「between」であり、プロセスであり、素材は多様だが大枠でコンセプチュアル・アートの展覧会だった。コンセプチュアルであることは、作家だけではなく…

まとめ中。

ヒア&ゼア

ゴダールの『ヒア&ゼア こことよそ』を見る。 『映画史』に繋がる手のモンタージュが頻発する。ヒトラーの手、レーニンの手、人民戦線の手。手「と」手「と」手。 それと映画への懐疑というか、内省が以前の作品にもましてあからさまな描写として登場する。…

ゴダールの『映画史』全編を通しで見る。

国立国会図書館

行ってまいりました。やはり「最終手段」だっただけに、実は今まで行ったことなかったのです。入り口から荷物はロッカー、利用証発行等、厳重な手続き。そして端末で請求(待ち時間約15分)、貴重書は別室にて閲覧強制、コピーは職員が行うため、コピー申請…

ドゥルーズ『シネマ』ようやく翻訳出版

ながらく待たれていたドゥルーズの『シネマ』がようやく出版されるらしい。 11月6日配本予定とのこと。ただ先に『シネマ II』から出るというのも なにか曰くありげで気になる。 書店でチラシを見ただけなのでよく覚えていないのだけど、 翻訳は宇野邦一さん…

目の前に浮遊する塵芥

飛蚊症、というものがある。最近自分がそれにかかって「いた」ことが判明。二つの原因があり、ひとつは生理的飛蚊症で胎児期から引き継がれるもので、生活には全く問題ない。ふたつめは硝子体剥離で、打撲や老化によって起こるものらしい。 前者か後者か判別…

「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」展2

昨日の続き。ヴィオラ氏と中沢氏との対談から。中沢氏は作品の感想を「霊の視点で撮られている」と語った。恐山の映像もあったし、いたって素朴。ただそれ以上話が発展しないので不満を持つ。水の話をもっと聞きたかった。電子回路と水、そして表象との関連…

バーバラ・ローズの『Autocritique: Essays on Art and Anti-Art 1963-1987』が届く。相変わらず各論文の初出が載っていない。これが伝統なのか、困ったもの。 現在まとめ中。 [news] アテネ・フランセでゴダール『映画史』全8章一挙公開2006年10月24日(火…

◇「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」 森美術館「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」オープニング。 ヴィオラのレクチャー後、「はつゆめ」(1981)のハイヴィジョン版を上映。 中沢新一氏とのディスカッション、質疑応答。 その後展示を見に行く。案の定、建畠さんにお会…

北島さんの授業に潜り、早稲田にてアラン・レネ『夜と霧』を見る。 すべてに凝視するしかなかったが、凝視しても想像力を働かせるだけの余裕はなかった。以前から人が死ぬリアリティは死体を見ることで得られるのか、という疑問があったけれど、どうやらそう…

今日の出来事。

結婚式→二次会。 懐かしい面々。 まさか引き止められて終電を逃すとは…不覚。 二次会→ギャラリー。 いくつか残ってる作業をすればそれなりに時間を過ごせると思いきや、比嘉さんのロシア壮行会にぶつかる。ほとんど交通事故。ビール、泡盛、焼酎。あぁ。 も…

オーストラリアにある日本の領土

シドニーから300kmあまりのところにあるカウラという街には、日本人戦没者霊園があります。そこは以前捕虜収容所があり、第二次大戦中は1000人以上の日本人捕虜が収容されていたそうです。オーストラリア軍事史上前代未聞の規模の脱走事件なども起こっていま…

◇ 次回のpg講座、決定しました。 第3回photographers' gallery講座 「再読・中平卓馬 1.ブレとボケ 2.記録と芸術 3.国境 4.現在」 2006年10月29日(日)開場/16:00 [第一部]映画上映/16:15〜17:50 「カメラになった男 写真家 中平卓馬」(監督・小原真史…

いくつかは別のところで読んだものがある。 松江泰治論とリヒター、ティルマンス論を中心に。 松江泰治は「高解像度のエロス」と「絶対ピント」だ、という。 カールトン・ワトキンスのステレオ写真を引き合いに出して、視点の浮遊感と写真の中に“ダイブ”する…

ソンタグの「キャンプについて」を原書と比較してみると、日本語で「感覚」「感性」「感受性」などと言い表されているものがほぼ「sensibility」という語であることがわかる。日本語で「感覚」というとさらりと流してしまいそうになるものが、「sensibility…

◇ 有坂ゆかりさんの「PARADISE LOST」展を観る。 あわせて岡田聡さんとの対談「再魔術化する世界」をきく。 有坂さんの絵には具象的要素(羊?)が含まれていた。ミルトンの『失楽園』とあわせて制作されただけに、そうした像が組み込まれたんだろう。ただイ…

◇ 昨日はpg講座第二回でした。 大勢の方にお越しいただき、盛況のうちに終えることが出来ました。 なによりも講師を務めていただいた前川さんに感謝しきりです。 パフォーマンス力はつけなきゃいけないですね。 お越しいただいた皆さんもありがとうございま…

◇ いよいよ明日、pg講座第二回です。ぜひお越しを! ◇ カメラ・オーストリア最新号(95号)が届きました。 アラン・セクーラがスーザン・マイゼラスについて書いてます。 それとルース・ゾンダーエガーの連載最終回でした。 これちゃんと読んでから書きます…

◇ スティーブン・ピピン『LAUNDROMAT - LOCOMOTION』 ローンドロマット、つまりコインランドリー。 冗談なのか真面目なのかときたま分からなくなるんだけれど、 たぶん大真面目です、この人。 このシリーズは「コインランドリーってカメラと関係あるんじゃな…

◇ pg講座第一回、無事終了しました。岡村民夫さんのアジェ分析は自らの足で調べただけあって実感として伝わってきました。写真を撮るという行為を遡行的に考えるフィールドワーク、それゆえのアクロバティックな他の文脈への接続、むぅ、思考の枠が広がりま…

メディア論―人間の拡張の諸相作者: マーシャルマクルーハン,栗原裕,河本仲聖出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1987/07/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 381回この商品を含むブログ (59件) を見るこの訳じゃないんだけど掲載(持っているのは竹内書…

先輩の有坂ゆかりさんの個展です。 有坂ゆかり展 「Paradise Lost」 2006年9月20日〜10月6日 10:00〜17:00 武蔵野美術大学美術資料図書館 民族資料室ギャラリー(13号館2階) ギャラリートーク 対談 10月3日(火)16:30〜 岡田聡氏(精神科医/アートコレ…

アートフォーラム最新号ではマイケル・フリードとティム・グリフィンが(先日私が観た)ダグラス・ゴードンとフィリップ・パレーノの《ジダン》に言及しているようです。 Michael Fried and Tim Griffin, "DOUGLAS GORDON AND PHILIPPE PARRENO'S ZIDANE, A …

うーん、渋いな。 創刊まもない頃のアートフォーラム。

前回の続き。

展覧会の中で一つの目玉となっているのが、「サイバネティック・セレンディピティ」(以下CSと略記)展を含む60年代の芸術と技術の関係を、展覧会や出版物を軸に紹介したコーナー。会場配布資料として森岡祥倫氏のCS展についての論考がついてくるのは、ちょ…

post digigraphy

そういえば最近東京都写真美術館で「ポスト・デジグラフィ」展を見に行きました。仕事の後に行ったこともあってほんの1時間も見ることはできなかったのだけど、この展覧会の主旨は「ポスト」ではなくあくまで「デジグラフィ」であるという印象を受けました。…