2006-01-01から1年間の記事一覧

5年前、なんども見せられた映像。 あの日は本当にビデオ・フィードバックのように繰り返し繰り返し飛行機が激突した。 リアリティが磨り減って無くなるまで、それは繰り返された。 時間をさかのぼって時たま思い出すものといえば、天皇崩御(親父が何故かビ…

寒さは神経を鋭くするので、物思いに耽りやすい。 だから冬は好きです。 冬の匂いがやってくるのはいつだろう。

クラウスのビデオ・アート論再読(3)

先にあげたビデオアートの三つの戦略のうち、「このメディウムの内部から批評するために活用する形式」に相当するのはリチャード・セラとナンシー・ホルトの《ブーメラン》だった。ヘッドセットを身につけたホルトがクローズアップで映っている作品だが、ホ…

ダグラス・ゴードン&フィリップ・パレーノ監督『ジダン 神に愛された男』を有楽町シネ・カノンにて鑑賞。レイトショーだったので客はまばらだった。 テレビのラスター面をアップで映し出す映像からオープニングへ。 緑色のドットはそれなりにきれいだった。…

そろそろクラウス再読に決着をつけないと。

ゴンザレス=トレスのモノグラフを入手。 切なくなってきた。 でもたぶんそれだけじゃない。

複数の糸がもつれて固くなったあと、切開する。 手品のように、糸は一本だった。 ローデンバック集成 (ちくま文庫)作者: ジョルジュ・ローデンバック,高橋洋一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/09/07メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブロ…

 クラウスのビデオ・アート論再読(2)

ビデオアートはフィードバックにひとつの特性をもっている。言い換えれば、「瞬時のリプレイ」だ。だがクラウスの言及には次の言葉が挿入されている。「事実、このリプレイの外では字義通り現実に存在しないような作品の創造なのである」。 (書き途中) ビ…

蟲を想ふ日

「御器齧」の話。 「持ち帰らせて巣ごと殲滅するタイプのもの(「コンバット」など)は放置すると設置した給餌ケースそのものが巣と化す場合があるので注意が必要である。」 まじですか……気をつけよう。 ◇ ウラゲツブログより 明日9月1日(金)より9月30日ま…

アバカノヴィッチ・ショック! ……。 朝日新聞社に用があり築地市場へ。 ちょっと上の人たちのような心境になった、とまではいかないか。 帰りに六本木に寄り、芋洗坂のギャラリー街へ。 今年初頭にオープンした「magical ARTROOM」*1は、今日たまたま山口聡…

 クラウスのビデオ・アート論再読(1)

from left: Vito Acconci, Centers(1971); Richard Serra and Nancy Holt, Boomerang(1974); Joan Jonas, Vertical Roll(1972). 『オクトーバー』誌は1976年の春号が創刊号で、*1そこでクラウスは「ビデオ:ナルシシズムの美学」という論考を寄せている*2。…

medium

キム スー ジャ。 *1 ◇ 10月より、ビル・ヴィオラの回顧展が開かれる。それを今年初頭から楽しみにしていたのだが、ロンドンのホーンチ・オブ・ヴェニソン他で開催中のトリスタン・プロジェクトも見たいと思っていたところなので、出品作品に近作がないこと…

 分析における弊害

確かに僕には絵画に対するフェティシズムのようなものがあって、それは第一に絵具であり、固体でもあるし液体でもあるあの質感からまだ離れられない。 この種のフェティシズムは作品を分析するときに厄介なもので、しばしば絵具のうねりを見て呆けてしまうこ…

パスタに顔を埋めたくなるような。 今日はマウリツィオ・カテラン日和でした。*1 *1:明日は北西よりキム・スージャが吹くでしょう。

棚を整理していると、10年も前に書いた小説とも言えない言葉の束が、ごそっと出てきた。そのなかに幼少の頃の奇妙な体験をもとにした、リアリティについての話がひとつ。 記憶違いなのか真実なのかいまだにわからないが、確か小学2年の頃だったろうか。隣に…

不安の種 (1) (ACW champion)作者: 中山昌亮出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2004/06/24メディア: コミック購入: 5人 クリック: 71回この商品を含むブログ (38件) を見る2〜6ページの短編を集めたホラーモノ。台詞は極力使わず、頁の送りで恐怖感を出すな…

とある合宿から帰ってきました。4回目にしてはじめて、議論半ばで睡魔にノックアウト。さすがに運転が身にこたえたのか。そういえば7時間くらい乗っていたし。 すでに各方面の皆さんにいろいろお知らせいただいているみたいですが、遅ればせながら私も宣伝を…

デューイ?

◇ 真夜中の新宿。ギャラリーの傍にあるコンビニで雑誌を立ち読みしていると、体格のいいお姐さんたちがキャッキャとさわぎながら入ってきた。 「やだーあなたってどうしてそーなの゛ーー」 いつもはあまり意識していなかったけれど、そういえばここは、二丁…

「宮川淳は非常に正しい。だが、正しすぎる。」 正論はどこまでいっても正論で、 高見からしかものを語っていないとするこの不満に、 批評はどこまで応えられるのか。

ブルース・ナウマンのアーティストブック、『L.A. Air』『Clear Sky』を拝見。 ロサンゼルスの空を全く対象を入れずに撮影した写真が数枚、綴じられているだけ。 ページをめくるごとに深い青や薄汚れた茶系に変化するので、 空を見ているのか写真の表面を見…

朝日の『論座』に、恐山の記事が載っている。 写真を見ても、言葉を読んでも、恐山の「異様さ」は、 やはり行って見ないとわからない。 ただ、記事を読む限りで、想像していたのをあわせると次のようになる。 彼岸と此岸を隔てる敷居、それが恐山。 先月末に…

アポトーシス アポトーシス (apoptosis) とは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺のこと。これに対し、血行不良、外傷などによる細胞内外の環境の悪化によ…

写真年表・リストづくりに奔走。 ミニマリズムの原稿の改稿もせねば。 off the galleryにしばらく書いてないし、 ピッチを上げて取り組まねば。 ◇ そのoff the galleryに、甲斐くんがフリードのジェフ・ウォール論について書いている。 原文にはあたれないが…

祖母のいる介護施設に、 「ないの」としか答えない女性がいる。 挨拶は、「ないの」 質問しても、「ないの」 訴えかける言葉は、「ないの」 ため息まじりにもれるのも、「ないの」 探し物はなんですか? 言われたことはちゃんとやっているし、完全にボケてい…

今月の『デザインノート』で、知人のデザイナー、森さんが紹介されました。 ちゃっかりうちの洋書店のカタログも掲載されていた。 手前味噌というわけじゃないけど、他の人と比べても 僕は森さんのデザインの方が好きだな。

◇ 執拗なまでに幾何学的な描写このフレーズが気になって、買ってしまった。 ロブ=グリエの『迷路のなかで』。迷路のなかで (講談社文芸文庫)作者: アラン・ロブ=グリエ,平岡篤頼出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/02/10メディア: 文庫購入: 6人 クリック…

さてちょっと今日は佳境。さる原稿〆が迫ってるのです。 明日以降からベンヤミンを再読し始めようかと。 ひとまず「言語一般および人間の言語について」から読もう。 この季節は毎年ベンヤミン。ド・マン、アドルノ、ハーバーマスなど。

かつての僕の先生が 「昔『液体小説』なるものをつくった」と言っていたのを ふと思い出す。 くさいそうだ。

ちょっと前の話ですが、Felix Gonzalez-TorresのモノグラフがSteidl(シュタイデル)社から出ました。Felix Gonzalez-Torres作者: Felix Gonzalez-Torres,Julie Ault出版社/メーカー: Steidl発売日: 2006/07/15メディア: ハードカバー クリック: 2回この商品…