2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

 クラウスのビデオ・アート論再読(1)

from left: Vito Acconci, Centers(1971); Richard Serra and Nancy Holt, Boomerang(1974); Joan Jonas, Vertical Roll(1972). 『オクトーバー』誌は1976年の春号が創刊号で、*1そこでクラウスは「ビデオ:ナルシシズムの美学」という論考を寄せている*2。…

medium

キム スー ジャ。 *1 ◇ 10月より、ビル・ヴィオラの回顧展が開かれる。それを今年初頭から楽しみにしていたのだが、ロンドンのホーンチ・オブ・ヴェニソン他で開催中のトリスタン・プロジェクトも見たいと思っていたところなので、出品作品に近作がないこと…

 分析における弊害

確かに僕には絵画に対するフェティシズムのようなものがあって、それは第一に絵具であり、固体でもあるし液体でもあるあの質感からまだ離れられない。 この種のフェティシズムは作品を分析するときに厄介なもので、しばしば絵具のうねりを見て呆けてしまうこ…

パスタに顔を埋めたくなるような。 今日はマウリツィオ・カテラン日和でした。*1 *1:明日は北西よりキム・スージャが吹くでしょう。

棚を整理していると、10年も前に書いた小説とも言えない言葉の束が、ごそっと出てきた。そのなかに幼少の頃の奇妙な体験をもとにした、リアリティについての話がひとつ。 記憶違いなのか真実なのかいまだにわからないが、確か小学2年の頃だったろうか。隣に…

不安の種 (1) (ACW champion)作者: 中山昌亮出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2004/06/24メディア: コミック購入: 5人 クリック: 71回この商品を含むブログ (38件) を見る2〜6ページの短編を集めたホラーモノ。台詞は極力使わず、頁の送りで恐怖感を出すな…

とある合宿から帰ってきました。4回目にしてはじめて、議論半ばで睡魔にノックアウト。さすがに運転が身にこたえたのか。そういえば7時間くらい乗っていたし。 すでに各方面の皆さんにいろいろお知らせいただいているみたいですが、遅ればせながら私も宣伝を…

デューイ?

◇ 真夜中の新宿。ギャラリーの傍にあるコンビニで雑誌を立ち読みしていると、体格のいいお姐さんたちがキャッキャとさわぎながら入ってきた。 「やだーあなたってどうしてそーなの゛ーー」 いつもはあまり意識していなかったけれど、そういえばここは、二丁…

「宮川淳は非常に正しい。だが、正しすぎる。」 正論はどこまでいっても正論で、 高見からしかものを語っていないとするこの不満に、 批評はどこまで応えられるのか。

ブルース・ナウマンのアーティストブック、『L.A. Air』『Clear Sky』を拝見。 ロサンゼルスの空を全く対象を入れずに撮影した写真が数枚、綴じられているだけ。 ページをめくるごとに深い青や薄汚れた茶系に変化するので、 空を見ているのか写真の表面を見…

朝日の『論座』に、恐山の記事が載っている。 写真を見ても、言葉を読んでも、恐山の「異様さ」は、 やはり行って見ないとわからない。 ただ、記事を読む限りで、想像していたのをあわせると次のようになる。 彼岸と此岸を隔てる敷居、それが恐山。 先月末に…

アポトーシス アポトーシス (apoptosis) とは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺のこと。これに対し、血行不良、外傷などによる細胞内外の環境の悪化によ…

写真年表・リストづくりに奔走。 ミニマリズムの原稿の改稿もせねば。 off the galleryにしばらく書いてないし、 ピッチを上げて取り組まねば。 ◇ そのoff the galleryに、甲斐くんがフリードのジェフ・ウォール論について書いている。 原文にはあたれないが…

祖母のいる介護施設に、 「ないの」としか答えない女性がいる。 挨拶は、「ないの」 質問しても、「ないの」 訴えかける言葉は、「ないの」 ため息まじりにもれるのも、「ないの」 探し物はなんですか? 言われたことはちゃんとやっているし、完全にボケてい…

今月の『デザインノート』で、知人のデザイナー、森さんが紹介されました。 ちゃっかりうちの洋書店のカタログも掲載されていた。 手前味噌というわけじゃないけど、他の人と比べても 僕は森さんのデザインの方が好きだな。

◇ 執拗なまでに幾何学的な描写このフレーズが気になって、買ってしまった。 ロブ=グリエの『迷路のなかで』。迷路のなかで (講談社文芸文庫)作者: アラン・ロブ=グリエ,平岡篤頼出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/02/10メディア: 文庫購入: 6人 クリック…

さてちょっと今日は佳境。さる原稿〆が迫ってるのです。 明日以降からベンヤミンを再読し始めようかと。 ひとまず「言語一般および人間の言語について」から読もう。 この季節は毎年ベンヤミン。ド・マン、アドルノ、ハーバーマスなど。

かつての僕の先生が 「昔『液体小説』なるものをつくった」と言っていたのを ふと思い出す。 くさいそうだ。

ちょっと前の話ですが、Felix Gonzalez-TorresのモノグラフがSteidl(シュタイデル)社から出ました。Felix Gonzalez-Torres作者: Felix Gonzalez-Torres,Julie Ault出版社/メーカー: Steidl発売日: 2006/07/15メディア: ハードカバー クリック: 2回この商品…

夏ばて気味です。 写真関係のリスト・年表作りが今年の梅雨前線のように停滞中です。なかなか終らず。

芸術の政治化

ベンヤミンの引用でよく用いられる次のフレーズ。 …ファシズムの推進する政治の耽美主義は、そういうところまでに来ているのだ。コミュニズムはこれにたいして、芸術の政治化をもって答えるだろう。*1 「政治の耽美主義」ないし「美学化」は前段からの流れで…

カスタムメイド彼氏。

渋谷のとある本屋で発見。オーダーメイドダーリン―幸せの王子様(ベストパートナー)の育て方作者: 高殿円,今本次音出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2006/06/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 24回この商品を含むブログ (12件) を見る知らぬ間にカスタ…

◇ 『SITE ZERO/ZERO SITE』、届く。やっぱタイトルがスミッソンぽいですね。内容は面白そうだが、“雑誌”として楽しめないのがマイナスか。ちょっと紀要っぽい。「ゼロからはじめる」ということなんだろうか。それなら期待できるか。

ダグラス・ゴードンの『ジダン 神が愛した男』、見ておくべきか。 ◇ 『SITE ZERO/ZERO SITE』を購入予約。どんな中身か気になる。

フレームくんと物質性くん

シンボルは絵画に、アレゴリーは写真に似ているかも、と思ったが、まだうまく掴めていない。 電車の中でうとうとしていると奇妙な夢を見た。物質性くんは名づけられたとたんにリビングデッドになって、フレーム君がこしらえた棺おけに入ってドライブに行っち…