次回のpg講座、決定しました。


第3回photographers' gallery講座


「再読・中平卓馬 1.ブレとボケ 2.記録と芸術 3.国境 4.現在」


2006年10月29日(日)開場/16:00


[第一部]映画上映/16:15〜17:50
「カメラになった男 写真家 中平卓馬」(監督・小原真史/2003年)


[第二部]トークディスカッション/18:00〜
「再読・中平卓馬 1.ブレとボケ 2.記録と芸術 3.国境 4.現在」
 小原真史・倉石信乃(写真批評)・北島敬三(写真家)


受講料/2000円(第二部トークのみ 1000円)
定員/25名



[講師略歴]
小原真史 KOHARA Masashi
1978年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。多摩美術大学大学院修了。
2005年、「中平卓馬試論」で第10回重森弘淹写真評論賞を受賞。
現在、東京ビジュアルアーツ非常勤講師、東京芸術大学先端芸術表現科教育研究助手。


倉石信乃 KURAISHI Shino
1963年生まれ。多摩美術大学美術学部芸術学科卒業。詩人、批評家。
1998年、「写真使用法」で第4回重森弘淹写真評論家賞を受賞。
現在、横浜美術館学芸員として、「ロバート・フランク──ムーヴィング・アウト」展、「菅木志雄──スタンス」展、「中平卓馬 原点復帰─横浜」展などを担当。


北島敬三 KITAJIMA Keizo
1954年生まれ。写真家。
1981年、日本写真協会新人償、1983年、第8回木村伊兵衞賞を受賞。主な写真集に『写真特急便 沖縄』 (全4巻、パロル舎、1980年) 、『NEW YORK』(白夜書房、1982年)、『PORTRAITS+PLACES』(photographers' gallery、2003年)など。


[上映映画紹介]
 写真家、中平卓馬は1960年代末から70年代にかけて「ブレボケ写真」と呼ばれた荒々しい映像を提出し、森山大道高梨豊と共に写真のラディカリズムを追求していった。その先鋭的な写真と言葉によって当時の若者達に大きな影響を与えていた中平は「写真に何が可能か」との問いを自他に対して提出し続けていた。
 70年代中頃からスランプに陥り、衰弱した中平は77年に病に倒れ、一命をとりとめるものの、その記憶と武器であった言葉の大部分を喪失した。以後、「伝説の写真家」として畏れられ、表舞台から姿を消すこととなる。
 病から立ち直る過程で沖縄へ赴き、そこで再びカメラを手にした中平は、20年以上毎日横浜の自宅周辺を撮影し続けているという。
 本作では今回初監督の小原真史がヴィデオカメラを片手に、中平に3年近く密着、記憶と言葉を失った写真家が今、いかにして毎日の撮影を維持し、カメラと共にどのように世界と向き合っているのかを探る。中平のつぶやきを丹念に拾い、以前通っていた沖縄へと、記憶の輪郭をなぞるように出発するその姿を追うことで、失われた記憶と現在とがつながる回路を浮かびあがらせていく。