OUT OF PLACE

お茶の水アテネ・フランセで佐藤真監督の「エドワード・サイード OUT OF PLACE」と四方田犬彦とのトークショーを鑑賞。ギャラリーで佐藤さんに映画上映の依頼をしていたので、挨拶がてら出席。
イードからパレスチナへ。
「故郷を亡くすこと」が映画のテーマらしきものとして映る。
だとすれば、『オリエンタリズム』は再度読み直さなければならないだろう。オリエンタリズムほど誤解して受容されたものはないからだ。
「多くの人が使っているオリエンタリズムはエキゾティシズムとどう違うのか」、映画の後に行われた佐藤監督との対談で、四方田犬彦はそう言った。
この映画はどことなく横滑り感があり、サイードに「ついて」の映画としては失敗しているだろう。映画中のチョムスキーの発言などには、サイードが警察とホットラインをつなぐほど日々テロへの警戒をしなければならなかったことを自分と比較しているが、それは別に僕でも知っているし、とりたててチョムスキーが語るべきことじゃない。チョムスキーの言葉からはサイードの人となりがほとんど見えてこなかった。しかしそれは監督も了解済みで、サイードを「通して」の映画だと告白した。本当だろうか?それにしては映像自体がゆるい。

ところで後で監督本人に挨拶したんだけれど、意外にも身長がデカかった。多分僕より巨大。

エドワード・サイードOUT OF PLACE

エドワード・サイードOUT OF PLACE